愛という名の支配

感覚は理性を駆逐する。憎悪は執念へと昇華する。

友達契約、賃貸カノジョ

 欲しいもの、あるいは自分にとって必要なもの、本来は努力して手に入れるべきそれらを金の力で手に入れる。

 食事でいうサプリメント、戦争でいう傭兵、仕事でいうアルバイトのような、一時しのぎで耐え忍ぶ。

 友達契約。そんな言葉を耳にした。友達って何だろう。お互い親しげに振る舞っていれば、頻繁に一緒に遊んでれば友達?そもそも友達という人間関係は契約できる性質のものなの? 

 契約という以上、当事者の合意に基づいて契約者に一定の債務を課すのだろうが、相手に何を要求するんだろう。

 愛人契約のように実際、セックス契約と置換可能なわけでもないし、SPのように身辺警護するわけでもない。

 

……。

 

 大体、自分が友達だと思っていても相手はそう思っていないこともあるし、その逆もいくらでもある。友達の成立要件は、お互いにとって有益な関係を長期的に築けているかどうかじゃね。

 一方的な利用価値。主人と使用人の関係は友達ではなく…たとえば上司と部下がどんなに仲良さそうにしていたとしても、所詮は力関係によって生じた役割を相互にこなしているだけ。

 

 セックスフレンド、賃貸カノジョ。有償無償の差があるだけで、その実質は大差ない。世人の求むは一時の悦楽、外形上のステータスばかりなり。