愛という名の支配

感覚は理性を駆逐する。憎悪は執念へと昇華する。

女性の「えへへ♪」という無邪気な笑い方の効用について。

 世間一般の常識では到底許されないことをしでかしても、その人が人並み外れた魅力や個性をもっていると、その言動が『…さんだから仕方ない』のような雰囲気に後押しされ、ときに容認されてしまう現象が発生します。
 むしろその理によって予想できない子供のような可愛らしさが、通常欠点としてあるいは愚行として映るはずのものを、美しく爽やかに演出してしまうのです。
 私を含めた世俗の凡庸な人間が、そういった誰でも味方に付けてしまうような純粋さを心身ともに大人の状態で手に入れるには、隠し切れない人間性の本質を矯正せねばなりません。
 それがもっとも垣間見えるのが笑い方です。笑い方には、育ち、性格、品性、知力、感情の振幅などほとんどのものが自然と露呈してしまいます。
 私が思うに、最も無邪気な笑い方は『えへへ』です。あははでも、うふふでも、おほほでもなく、『えへへ』が女性の魅力的な笑い方の頂点であると信じます。

 …以上を踏まえたうえで質問です。
 ここに、あなたがもっとも大切な異性Aがいます。Aが次のような行動をしでかした場合、あなたは許せますか?
 どうしても許せない場合はそれでもいいですが、その場合えへへに変わるストレス軽減策を教えてください。
 なお、A自身の人間的欠陥の改善は期待できないものとします。

 ①私が仕事に行ってる間、新聞(読売、朝日、毎日、産経などほぼ全社)、乳製品(ヨーグルト、ヤクルトなど多数)など私に断りなく多数契約。それも一ヶ月のお試しなどではなく、すべて年単位の長期契約である。もはや契約取消の期間は過ぎ、すべてが後の祭りの状態になっている。これもすべてことが露見するのを恐れたAがギリギリまで自身の失態を隠ぺいしたせいである。私に何の相談もなく無駄な買い物をしたA、それだけでなく爾後速やかに私に報告しなかったAに、私は内心立腹したが、それをあえて隠し、なぜこのような結果に至ったのかを冷静に問いただした。するとAは満面の笑顔でこう釈明した。
 「ごめんね…どうしても断りきれなかったの。うちから契約取れなかったらクビになるって言われて何だか可哀想になっちゃって…。でもすごくいい人そうな人ばっかりだったし、きっと私いいことしたよね、えへへ♪」