愛という名の支配

感覚は理性を駆逐する。憎悪は執念へと昇華する。

AとBが殴り合いの喧嘩をしている場合の質問です。

 最初は状態が均衡していたものの、徐々に実力差が明確になり、AがBに一方的にボコられる様相を呈してきました。
そこで『このままではAは死ぬな…』と勝手に判断した傍観者Cが「助太刀いたす!諸君、警察を呼ぶ必要はないぞ。私に任せておけぃ!」などとわざわざ時代劇風に周囲に自分の正当性を高らかにアピールしてから戦闘に参加し、Bを駆逐、叩きのめしました。

 その後、CはAに「あのままだったらおぬしは命を落としておったぞ。私に感謝するがよい」などと相変わらずの口調で自身の行動を自画自賛し、そのうえ助太刀料金5万を要求し、なかば強引にAの財布から札を抜き取っていきました。勝手に金をとられたことにムカついたAは密かに携帯で撮影しておいたBとCの乱闘の様子を『時代錯誤の馬鹿大暴れ』と銘打ってネットに流してほくそ笑みました。

 …それから数日後、Aの自宅に警官数名が訪れ、BがCの殴打により死亡したのであなたも関係者として取り調べを受けて頂く。なお、Cは現在逃走中なのでCが捕まるまであなたの身柄を拘束すると言われ逮捕されました。


 さて、この場合あなたがAだったらどうしますか?
下手をしたらあなたも傷害致死の共犯にされかねません。